AAA 5thAl「HEARTFUL」

おひさしぶりですこんぬづわ! 本来先に書くべきネタも溜まっているのですが、明日AAAライブに参加するので、実物を見て印象が変わる前にアルバムの感想を書きます。
すげー長いよ!

HEARTFUL(DVD付)

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雑感

女子パート(ていうか千晃パート)増えたなあ……。まあ彼らももうデビューして5年だそうなので、色々新しい試みなんだろうけど、ボーカル増やすのってパッと見の新鮮さは出るけど、余程全員のレベルが高くない限り下の人に合わせて使える音域が狭くなったりして曲の幅は結果的に限られてくるんじゃないかなー。で、案の定今回打ち込み系の曲が多いので(そのほうが色々誤魔化せることもあるんだろうけど)似たり寄ったりな印象が出てきました。メロは西宇浦にしたり色々工夫してるとは思うんだけど、ユニゾンのサビがどうしてもね。でも逆に言えばコンセプトはわかりやすいし、まとまってる。
西島に関しては最近の個人仕事の鬼畜っぷりと本人の「倒れるまで頑張ります☆」等の発言になんかもう「ここは任せて、お前はいいから行け!!」みたいな心境になってしまってるので仕方ないっつかいいんですけども、浦田さんもあまり使われなくなってるのが実に惜しいなと思います。直也くんいい声だなとあらためて思った今回。ていうか、宇野伊藤より浦田伊藤のほうが違和感なくキレイに合うような気がすんだけどな。ていうかわりとオールマイティにどのメンバーとも殺しあわずに重なる声なんですよね。いやーいいよーもっと使ってほしいよー。
前々から思ってたけどもみちゃこのネコ声化はどこまで行くのでしょうか。千晃がボーカルやるようになったからこその差別化というか意地なのかもしれませんが、頼む、実彩子、普通に歌ってくれ!!
あ、あとどうでもいいけどleonnたんの手がけてる曲が歌詞カード見なくてもわかるようになってきました。あれだね、A・Bメロになんとなくヤボいフレーズ入ってたらだいたいこの人ね!

↓以下は曲ごとの感想など。
  1. HEARTFUL
    Overture。演出がどうなるか楽しみです。
  2. Overdrive
    もヴぇっぽい。というかイニDっぽい。いつ日高が「ブリンゲバッ!ッケンロッケンロー!!」とか言い出すかと思いました。路線的には当然私の大好物ですが、こういう曲は往々にしてエンジン暖めがてら〜みたいな感じで序盤に軽ーく演られることが多くて寂しいので、どうせなら全力で行ってほしいです。いいよ最悪私だけでも全力で行くよ。大サビの「Overdrive」の「どらぁあーい」ってアのところで膨らむ感じが、西島なのか宇野ちゃんなのかどっちの唄い癖なのかわかんないんだけど、ああAAAっぽいな、って感じで好きなので生でも是非忠実に再現してほしいです。
  3. Break Down
    なんか初期っぽいなと思った。男子メンが男性にしては高いキーで、宇野ちゃんが下でハモるサビの曲ってなんか最近(つか千晃がボーカル入るようになってから)やってなかったような気がして。アレンジはあんま好きくないんだけど(妙に宇野ちゃんの声が悪目立ちするのだよ!)そういうハーモニー多用の曲はこれからもやってほしい。
  4. Brand New World
    Notボーカルメンの引率、みたいな感じのうららの声に浸る曲。
  5. Rising Sun
    たぶんそれまで死んだ目をしていた西島がここで息を吹き返す。
  6. Summer Revolution
    これ聴くと、なんか無理に千晃含めて混合ボーカルにするよりは、こうやって完全に女子曲を作っちゃったほうがいいような気がする…。生のちあちゃんのパフォーマンスに期待しております。
  7. As I am
    ものすごく愛らしい笑顔をつくりながらも、目だけはしっかりと客席を睥睨している宇野様の姿が今から目に浮かぶよ!(去年「a piece〜」のとき双眼鏡で覗いたらそんな具合だったので慄きました)
  8. ONE
    散々あちこちで言われているけどTRF。どうせならEZ DO DANCEにすればよかったのに! シューティのラップが何回か聴くまで日高だと思い込んでたくらい達者なのに対して、あたえさんのラップがなんだか心配です。
  9. Get It On
    なんか聴いたことある……というか展開がよくある感じ。わかりやすくカッコイイ系だし覚えやすいと思うんだけど、今回アルバム全体的に女子メイン曲が多くて(うち一曲はシングルだし)、それと比較すると、メインボーカル二人いる男子メンの曲はもっと冒険・挑戦できたはずだと思うので、うーん。
  10. Heart and Soul
    このイントロを聴くたびに「エイベはそんなに一夜限りのベルファーレ復活祭りが楽しかったのかな…」とか考えてしまいます。でも今回収録のシングルの中ではキラキラしたアレンジで一番好き。
  11. Believe own way
    『旅ダチノウタ』のアンサーソング的な(もヴぇヲタ的発想)。アルバム新曲の中では一番好きです。ていうか、これw-ヲタっつか葉山信者とかその系譜のファンは好きだと思うよ! シリアスな雰囲気のアレンジに文字いっぱいの歌詞の雰囲気とかが小室以降のダンス歌謡らしいなあと思う。起伏の少ないサビの繰り返しで5分超も聴かせられるのはさすがだ。女子をコーラスに専念させたのも含め、各メンバーのパート割りも効果的でナイス。ていうかあたえくんの歌が私的に今までで一番よく聴こえる! いい曲はだいたい歌のうまくない子の使い方が上手いなんだよね。うまい子が上手に使えるのは当たり前だから。
  12. FIELD
    西島うた上手くなったなあ。
  13. Metamorphose
    なぜこの曲がこのタイトルなのかよくわからないので、いつもタイトルがパッと出てこない。日高のラップが珍しく単純なんだけど、全部最後の「さぁ君も羽広げてDive!」への繋ぎなんだなーと思うとやっぱ上手いよねー。
  14. Hide-away
    ジャズダンス中心の振り付けが好きなのでライブで見るのが楽しみな曲。そしてAメロの西島の歌声の憂い具合になんだか切なくなる。二番の歌詞見ると「ああ、そういえば犬夜叉のタイアップだったね…」って思い出すね。

ところで今回はタオル曲は何なんでしょうか。既存曲から?

その他 ※主にSHT(スーパー日高語りタイム)です。

MC日高の時代いよいよ到来

↑って自分で書いてから「え?また?むしろまだだったん?」みたいな違和感を覚えたんだけども。まあなんだ、ロッキンオンジャパン誌上で邦楽ROCKの革命が起きるのと同じくらいの頻度で時代は到来するもんだと思ってください。関係ないけど相変わらずまつげぐるん☆で可愛いよね…。
前作までのMCとしての日高くんは「勤勉な若者」って印象だったのが、今回はもう立派に一人前のラップ芸者だなあ!と感心しました。
男メンアルバムくらいまでの日高くんのリリックの特徴のひとつが倒置の使い方で、これって本当にちょっとしたテクニックなんだけど、普段の会話の中ではごく一般的に使われていながら文章だと普段から書いてない人には意外と発想自体が出てこない技法だと思うんですよ。特に音にのせる詞作という場面だと、言葉の流れを止めてしまうので使う人は少ないんじゃないかと(俺のアイドルmotsuちんも倒置は殆ど使いません)。日高くんはそこを逆に取って、パンチラインじゃないけど語の選びは綺麗でもアクセントを付けたい部分に、また押韻をスムーズにするためにとても巧く使ってたんですね。
あと口語というか馴染みやすい若者の語り口調っぽさを大事にしてるのか、韻を踏むのに便利なのでRap詞では頻繁に出てくる体言止めは逆にあまり使わない(というか日高くんはフレーズのケツで踏むというベタなライミングをほとんどせず、語の途中ではめたりセンテンスの区切りと音の区切りをズラして滑らかにしてたりとそのへん実にCOOOOOL!!!なんすよ! 日高くんの詞から適当に1フレーズ抜いてローマ字表記に開きなおすとその韻の複雑な絡みかたと凝り具合にほんと感心します)。
そういう辺りに日頃からの言葉に対する意識の高さがうかがえて、才能とかセンスはよくわからないが姿勢が実に真摯なのは間違いねえな!と思ってたんですが、今作でそういう努力家な「できる子」イメージから更に上昇して、楽曲が打ち込み系中心ということで前作あたりでもう確立された感があった「日高節」とでも呼べるような語りスタイルから匂いを消して更にスマートにしつつ、それでも個性はしっかり感じさせるというプロの仕事っぷり。
フロウもいつものKREVA兄貴似の撥音が活き活きしたポップなもの、AAA定番の高速Rapから、ポエトリーリーディング風やメロディアスなものまで表情豊か(当然ながらジブ厨っぽさがないところもダミ声ラップもどきの苦手な私には超好感持てる)。で、しかもシングル曲ではわりとシンプルでカラオケで真似しやすいようなのをやってて、アルバム曲では「既存顧客向け」って感じでちょい難しめのフロウになってんだよね! モツRap芸初段を自称している私もこりゃーちっと練習したくらいじゃマネできねーわ!と思いました。そんだけ日高くん自身のスキルが上がってるんだと思うんだけど、それでも門戸広くあるべきシングル曲では抑え目(しかし詞自体には確実に光るものがある)にしてるあたりがマジ「日高のヤツ仕事できるよな!」って感じでニクいよね!
これはもうHIPHOP好きの人に好感持たれるのは勿論、全然興味ない人にもアイドルのラップもどきパフォーマンスと思わせない本格派の雰囲気だと思います。まじでこの世代のアイドルユニットで、「ユニット本体の音楽性に調和しつつ」「個性を確立したRap」で一番完成された出来じゃないかなあ。似たような試みをしてる*1他のユニットも応援してる身としては悔しいというか歯がゆいというか、むちゃくちゃ羨ましくもありつつ、やっぱ賞賛せざるを得ないもんがあります。ほんとYOUは立派なアイドルであり一人の作詞家だよ! まあ、私がラップ担なのでラップ興味ゼロの人からすると「こんなにラップいらねーよ!」なのかもしんないすけど……いや、でもほんとすごいと思うんよ……。
AAAにハマりはじめた頃、予想以上の日高くんのラップへの取り組みのガチ具合*2に「MCとしてフツーにいいと思うけど、この人ほんとにアイドルやりたいんかしら…?」とちょっと疑問に思わないでもなかったんですが、あれっすね、やはりディープでコアなHIPHOPの舞台でなく、アイドルとしてとことんメジャー志向で、いちばん大衆に身近なJ-POPで真剣にラップをやっていくほうが最終的にはコアなシーンの盛り上がりにも繋がるし、何より挑戦として面白いよな! 日高さんカッコイイーっす!! 以上、絶賛!

アソシエイトプロデューサー・ガルネクだいすけ(イケメン)

今回のアルバムのクレジット、トメはいつものエグゼクティブmaxなんちゃらかんちゃらなんですけど、その直前にあるのが「Associate Producer:Daisuke Suzuki」。
これは単純に「準プロデューサー」っていう解釈でいいのかな。えーべ全体が去年くらいから原点回帰とか寝言標榜してるのはなんとなくわかってたんですけど、今回のアルバムの打ち込みまくりんぐ展開もその影響なんでしょうか、そしてこのだいすけのクレジットは単にだいすけのエイベ内での地位が上がったってことなのか(木村・葉山・鈴木あたりのAfter小室作家の中ではだいすけが一番芸風が広くて今時っぽく洗練されてるような気がする。メディア向き※いけめんだし)(まあでもガルネクの滑りっぷりからしてまだ出世はないか)、それとも今回のアルバムが準だいすけプロデュース作品ということなんでしょうか。だから懐かしいくらいシンセに物言わせまくってるんでしょうか。
AAAとしては『ATTACK』『ALL』『AROUND』三部作でその名の通りジャンル的には一通りやり尽くした感が無くもないので、これからはアルバム毎にジャンル固めていくんですかね。そしてこれからもだいすけがガッツリ絡んでくるのか、今回に限ってのことなのかわからんですけど、アルバム曲の中では『Believe own way』がツボったし今後も何かしら手がけるのであれば楽しみかも。

*1:しかも芸歴は長い

*2:と、あと「アイドルって壁をガリガリ削っていきたい」的なふんいきの無駄に自然体を意識した言動とかも。日高に限らずなるべく本人の意思を尊重したいと思ってはいるがやはり俺はアイドルが好きなアイドルファンとしてAAAが好きなんだよ…!